10月30日(金)のみやけフライデーは!!

五島うどんは、人と地域が作っている。 三宅局長のふるさと上五島から五島うどんの魅力届けます

私は海員学校を卒業後、商船会社に入社し、約20年間、船員として海の仕事に携わっておりました。
長い船員生活を終え、故郷へ戻った私は、これまでとは違った人生を歩もうと、食堂を開く計画を立てておりました。
食堂を開く準備をしていた私に、長男が「それなら、自分たちで五島うどんを作ってみたらどうか」と声をかけてくれました。
その一言が、私の人生を大きく変えることになりました。
当時、上五島には約3万人の人々が暮らしており、五島うどんは地域に根づいた大切な食文化の一つでした。
しかし、その製造には大変な手間と時間がかかり、簡単に作れるものではありませんでした。
もちろん、うどん作りは全くの素人でした。船員の仕事とは全く違う世界で、原料の扱い方から製麺の技術、乾燥の加減まで、なにもかもが手探りでした。昔ながらの製法は機会に頼れる部分も少なく、天候や湿度にも左右されるため、思うような麺を作ることができない日々が続きました。
失敗しては作り直し、試行錯誤を繰り返しながら、少しづつ製造の技術を身につけていきました。
苦労の連続ではありましたが、「故郷の大切な食文化を、自分たちの手で守り、もっと多くの人に届けたい」という思いだけは決して変わりませんでした。
あの頃の苦労や失敗、そして一つ一つ手をかけて作り上げてきた経験が、今日の五島うどんづくりの原点となっています。
五島うどんは、基本的に手作業で製麺します。
手延べ製法の際に、粉ではなく椿の種からとれる植物油を使用します。 五島列島は椿の自生地としても有名で古くから地域において、健康と美容に関することをはじめ、様々なものに利用されてきました。
この椿油を麺に塗ることで麺がのびにくくなり、なおかつコシが強い麺が出来上がっていきます。
とはいっても、年中作り続けるためには、気候、気温、湿度といった環境変化に応じた繊細な対応が求められます。
特に夏に製造するうどんは、使用する塩水に氷水を使用し、冷やしながら小麦粉を捏ねることで、生地が引き締まり、良いうどんが出来上がります。
また、生地の熟成具合や伸び具合などが変化するスピードが早いので、従業員の経験による的確な判断が重要になってくるので、普段よりも注意して製造しています。

私の夢は、現在専務である息子が、これからの五島うどんの未来を担い、さらなる発展へと導いてくれる事です。
単に自社を大きくするだけではなく、同業者の皆さまと手を取り合い、産地全体が一丸となって五島うどんのブランドを盛り上げていってくれることを切に願っています。
伝統を守りながらも、新しい風を吹き込み、地域の誇りを次世代へと繋いでほしい。
それが私の心からの願いであり、夢です。

